みかん日記

出産と育児の備忘録

【体験記】無痛分娩にして本当に良かったなって話

無痛分娩の話。

 

私は妊娠前から「痛いのやだなー無痛がいいなー」と思ってたので、妊娠がわかってすぐ無痛分娩の産院を予約したんだけど、その一方で「よく調べもせず予約したけど本当に大丈夫なのかな、無痛分娩…」って不安にも思ってた。

「いや調べろよ」って話なんだけど、「無痛分娩 リスク」とか「無痛分娩 デメリット」でググると怖い記事がぽんぽん出てきてナーバスになるから読めなかったんだよね…。

それで結局「産む時にお医者さんに聞こ!」ってほぼ予備知識なしのまま無痛分娩に挑んだんだけど、まぁ結論から言えばそれでも全然大丈夫でした

 

ここではお医者さんから説明されて知った内容を中心に、

・無痛分娩で打つ麻酔について
・無痛分娩のデメリット
・無痛分娩のリスク
・実際の処置の流れ
・やってみてどうだったか

をまとめてみます。

 

 

・無痛分娩で打つ麻酔について

無痛分娩で打つのは「硬膜外麻酔」。

背中から細い針を刺して、脊髄の膜に麻酔薬を入れて、下半身の感覚だけを無くす。

上半身の感覚は残るし、意識もハッキリある(人によるかも)。

帝王切開の時に打つのは「全身麻酔」で、こっちは意識も完全になくなるらしいので、それに比べれば無痛分娩は普通のお産に近いのかな〜と思う。

 

普通のお産と明確に違うのは

・麻酔を打てるお医者様がいないとできない
・陣痛がきてから入院するんじゃなく、計画的に入院して麻酔&陣痛誘発する

ということ。

 

なので予定よりも早く陣痛が来ると

「今日は麻酔打てる先生いないから無理です!」とか

「もうお産進んでて麻酔打つの厳しい!このまま産みましょう!」

って自然分娩になっちゃうことがあるらしい。結構よく聞く。

麻酔の効き具合にも個人差がかなりあるみたいで、全てがうまくいくかは完全に運。

 

 

・無痛分娩のデメリット

デメリットの1つは「陣痛を誘発する」=「自然ではない」こと。

本来なら体が「もう生まれてもOK!」となったタイミングで自然とくるはずのものを、予定よりも早く、あの手この手で誘発するわけなので、自然派の人にはこの辺り心理的な抵抗があるみたい。

ただ個人的には「それ言ったら医療行為って全部不自然じゃん…」て感じなので、あんまりデメリットとは思わなかった。

 

もう一つは費用が高くつくこと。

分娩が大体50万円で、無痛はプラス10万円くらい(保険適用外)。

いやなんで保険適用外やねん…って思うけど、そもそも「出産は病気じゃないし分娩は医療じゃないよ」みたいな理屈で無痛どころか自然分娩さえ保険適用外なんだよね。これは妊娠してから知りました。解せね〜!

ただ、出産の痛みはマジでやばいとよく聞くので、それをスキップできると思えば10万円は決して高すぎる金額でもない気がする。

 

 

・無痛分娩のリスク

てっきり下半身不随とか死産とかのえぐいリスクがモリモリにあるのかと思いきや、産院の先生から「無痛分娩のリスク」として説明されたのは

・産後めっちゃ頭痛くなるケースがある(100人に1人)
血栓がどこかしらに詰まって重篤になるケースがある(非常に稀、数万人に1人)

の2つだけだった。思ったより少ない!内容も確率も。

 

多分、下半身付随とか死産とかももちろん起こりうるんだろうけど、それは「無痛分娩にしたことで起こりやすくなること」ではなくて「出産や麻酔を伴う手術そのもので起こりうること」なんだろうな。これは私の解釈だけど。

 

なので、自分でできることといったら、医療事故が起きないことを願いつつ、できるだけ設備や実績がしっかりしてそうな病院やクリニックを選ぶことくらいなのかな〜と思う。

 

 

・実際の処置の流れ

①事前入院

私の場合は医者が決めた予定日(元々の出産予定日より少し早め)の前日午後に入院。

入院したらパジャマに着替えて分娩室へゴー。

 

②麻酔の事前準備

スムーズに薬品が投与できるように、あらかじめ腕と背中に細い管を通しておく。

まずは点滴用に腕。

刺す時は普通の注射と同じだけど、終わった後もずっと管がついてる。

点滴用の管を腕につけっぱなしにする図

 

次に麻酔用に背中。

背中を出しにして横になり、ギューっと丸まってチクっとされるのを堪える。

動いたらダメで、失敗するとやり直しになる。

ちなみに私は3回やり直した。痛いというか反射でビクっとしちゃう…。

背中を丸めて、麻酔用の管をチクっとされる図

 

メインイベントの管通しはこれで終了。

このほかにも腕で血圧測ったり腹で胎児の心拍とったりするので、出産前日にしてあちこち繋がれた人造人間みたいになる。

 

③バルーン入れる

子宮の入り口にバルーンを入れて膨らませ、子宮口を人工的に軽く開く。

これによって陣痛がきやすくなるらしい。

入れる感覚はまぁ普通の内診みたいな感じで、個人的にはそこまで痛くなかった。

 

④一晩寝て陣痛を待つ

私の場合は夜の3時頃からじわじわ痛み出して、朝7時には10分感覚の陣痛に。

耐えられないほどではないけどいや痛え〜〜〜これが陣痛か〜〜〜て感じ。

 

⑤麻酔入れる

朝8時、おしるしもあり子宮口も3㎝くらい開いてるねーということで、お産開始。

背中からは麻酔、腕からは陣痛促進剤を少量ずつ入れ始める。

私は効きがよかったようで10分もしたら痛みが弱まり、一時間後には完全に無痛に。

 

⑥子宮口が開くのをひたすら待つ

後は子宮口が開いて子供が自分から降りてくるのを待つフェーズへ。

本来なら数分感覚でものすごい激痛がきてるはずだけど完全に無痛で無感覚。

水が飲めないことだけは辛かったけど、後はもうノンストレスで数時間ぼーっとしてた。

 

昼12時頃、助産師さんから促されるまま試しにいきんでみたら破水。

ちなみに「いきむ」=「息を止めて下腹部に力を入れて中身を全部出す感じ」とのこと。

自然分娩だと自然といきみたくなるらしいけど、無痛分娩ではその感覚は分からない。

 

⑦出産

午後2時、赤ちゃんの頭が引っかかって動かなくなったので、最後は会陰切開&吸引で出産。

股を切られる感覚も全然わからなかったし、産む瞬間も産師さんにお腹を思いっきり押されて「グエエ」となりながらいきんでたらいつの間にか赤ちゃんがスポーンと発射されていた。

苦痛がなかったせいか赤ちゃんと対面しても感激で泣いたりしなかった。嬉しかったけどね。

 

⑧麻酔終了

産んだ余韻に浸るも束の間「じゃあ縫いますね〜」と「麻酔止めますね〜」。

…えっ?縫うのに麻酔止めるんですか??

とも言えず、縫合中はただただ「もうすぐ麻酔が切れて股を縫われる痛みがダイレクトに襲ってくるのか…?」と気が気じゃなかった。

まあ縫合がスピーディーで大丈夫だったんだけど…超怖かったなーーー。

 

⑨麻酔が切れた後

麻酔を止めてしばらくした頃、痛みが戻るよりも先にすさまじい悪寒が。

麻酔の副作用なのか、出産の時に大量出血したからなのか…。

で、悪寒がおさまった頃にようやく下半身の感覚が戻ってきたんだけど、生まれたての子鹿のごとくガクガクのプルプルで、股も痛くて、全然自力で歩いたりできなかった。

感覚がなかっただけで、体はしっかり出産のダメージを受けてたんだなぁということをこのタイミングでようやく実感した感じだった。

 

 

・やってみてどうだったか

記事のタイトルの通りだけど、私は無痛分娩にして本当に良かったなって思う。

 

実は前日に麻酔の管を入れてる時、隣の分娩室で出産してる人がいたんだけど、聞いてるだけで恐ろしくなるほどのすさまじい絶叫ぶりで…。

あの痛みを回避できたんだと思うと10万円は安い気がする。

 

それに夫と「楽しみだね〜」って色々おしゃべりしながらリラックスして産めたことも結構良い思い出になった。

妊娠中とか産後って色々辛かった印象が強いんだけど、出産だけは今思い出しても本当に穏やかで良かったな〜ってほっこりする。

 

もちろん普通分娩だって痛みに耐えて産む分感動はひとしおだろうし、無痛分娩が正解とかってわけでは全然ないんだけど、でも無痛分娩ももっと選択肢の一つとして世間的に普通になったら良いんじゃないかなぁって思う。まだまだ全体から見ると少ないからね…。

 

なので、これから周りに産む人がいたら

全力で「無痛分娩良かったですよ!!」って言っていこうと思ってます。

 

以上、おしまい。